いのちの課題解決はボーダーラインを超えた先にある

皆さん、こんにちは。

いのちと性の自己決定をサポートする、あいのちの佐藤です。


皆さんは、「日常生活でちょっと困っているけれど、こんな些細なこと、誰にも相談できない」、あるいは「ちょっと気になるけど、他人が介入するのは、おせっかいかな」と感じたことはありませんか。


子どものこと、夫婦関係のこと、家族のこと。プライベート感が強いあれこれ。



日本では特に「家族のことは家族で解決するべき」という旧来の家族観が強く、どんなに仲の良いママ友さんや友人家族であっても、他人には気軽に話しづらい、声をかけづらい雰囲気があるのではないでしょうか。


でも、昔に比べて、親との同居は減り、核家族では、ままならないことが、たくさんありますよね。


離れて暮らしていたら、親にも兄弟にも、相談できない。家族だけでどう解決したら?


そんな人たちを支援へつなぐソーシャルワーカーさんのお話を今日、聴く機会があり、多世代(=世代を問わない)かつ多様性に富んだ(=さまざまなバックグラウンドを超えてつき合える)交流の場が必要だと、改めて痛感しました。




今日、お会いしたのは「中核地域生活支援センターがじゅまる」のソーシャルワーカー、朝比奈ミカさんです。



今日まで知らなかったのですが、中核地域生活支援センターは、「どんな人の」「どんな相談」も受ける、千葉県が全国に先駆けて設置した機関だそうです。


窓口の相談って、だいたい分野別になっていますよね。


子どものことは子育て支援課や教育委員会、介護のことは社会福祉課、障害者のことは障害者支援課――。


でも、たとえば1人の女性が、育児と介護と子どもの障害について、悩んでいた場合、それぞれの窓口で別々に相談しなければならない――想像するだけで、いかに大変か、非効率的かがわかります。


そこで、「どの制度にものらない、狭間にいる人」や「いろんな課題を抱えている人」を包括的に支援するのが、中核地域支援センターの役割だそうです。


日本では「血縁」が重視されますが、他にも地域やその土地の「地縁」、そして会社の「社縁」・・・そういった縁に恵まれている人は、等身大の自身を取り囲む、身幅があるので、「壁にぶつかっても痛くない。ケガしない」と朝比奈さんは説明されていました。



身体の周囲を縁が取り囲んでいて、クッションになってくれるイメージでしょうか。心強い縁に囲まれていれば、多少のトラブルは、連携やサポートによって、乗り越えやすくなりますよね。


その「縁」がない人たち・・・たとえば、高校を中退してしまった若者や、核家族の主婦、会社を定年退職した高齢者は、どこの誰に相談すればいいんでしょうか。


「特に、妊娠・出産期、乳児期、幼児期、学齢期と、切れ目のない支援が続く中で、思春期以降の十代後半から先の若年層は、社会的支援策が極端に少ない傾向にあります」


「もし十代で妊娠したら――いのちの誕生にまず、『おめでとう』と言ってもらえる社会だったらいい。しかし現実的に、だいたいの場合は中絶を、しかも積極的に勧められることが多い。子どもたちは空気を読むから、そうした方が良いのかなと大人の言うことに従います」


「信頼できる大人が1人でも思い浮かべられれば、立ち直りやすいですが、大人にずっと裏切られてきた子どもたちは、いざというときに、誰を頼ればいいのか、誰も思い浮かびません」



そんな「無縁社会」をどう変えていけるか――私の中の答えは、やはり、多世代と多様性の交流の場を作ることです。


各地の「誕生学」プログラムでも、赤ちゃんとの交流体験をセットにしているのは、とても意義があると自負しています。


赤ちゃんとお母さん、子ども、高齢者と、世代を分断せず、ずーっと誰もが赤ちゃんに、日常でかかわれる場が欲しい。


小学生、中高生が赤ちゃんや高齢者とふれあえる場があれば、自分が育ってきた過程を知り、家族になり、歳を取るイメージもわきます。



元気いっぱいの子どもたちが、週1回、月1回でも、赤ちゃんや幼児の面倒を見てくれたら、お母さんたちがどれだけ気分転換になって助かるか。


今日の参加者さんの中には、「ファミリーサポート(地域の預かり)で、小さな子がわが家にいると、思春期の子のコミュニケーションが積極的になる」と明かしてくれた方もいました。それすごく良い!!


思春期や反抗期にありがちなトゲトゲした家庭内の雰囲気が、幼い子どもが1人いるだけで、ふんわり柔らかくなるのが目に浮かぶようです。幼子がいたら、つい気になりますよね。



2017年には神奈川県座間市で、自殺願望を持つ若者9人が、殺された事件がありました。


「裏社会だろうが表の社会だろうが、生きていくことが重要。しかも裏のメッセージの方が届きやすい。でもそれじゃあいけない」


朝比奈さんは、無縁社会を生きる若者たちが直面する課題をそう語っていました。




表ではあまり見えないけれど、ひっそりと生きづらさを抱えている人たちが、実はたくさんいます。


困っていることを抱えながら、走り続け、生き続ることを迫られるつらさ、苦しさがそこかしこに散らばっているのに、声をあげることがためらわれる社会を変えたいと思います。


「ちょっとのこと」「些細なこと」でも、大変だなと思ったら、誰かに伝えてみてほしい。


気になったら、おせっかいかもしれないけれど、声をかけてみてほしい。


手遅れになる前に、早めに、できるタイミングですぐ、行動してみてほしい。


気になったら、「誕生学」プログラムをリクエストしてほしい。



幼稚園・保育園、小中学校、高校、家庭教育学級、学童に子育てサークル、どこへでも伺います!


いのちの課題解決は、世代もバックグラウンドも、あらゆるボーダーラインを超えた、その先にある――


それなら、今すぐにでも、意識の線引きを外して、普段いるのとは異なるコミュニティにあえて飛び込んで、多様性に富んだ連携=つながりづくりを始めてみませんか。


安心安全のゾーンを出ることは、ちょっと不安で、怖いかもしれない。緊張やプレッシャーがあるかもしれない。


でも、自然が生き延びるためには、多様性が適応力のカギになる、だから多様性を失ったら人類が滅びる可能性があると、京大iPS細胞研究所所長の中山伸弥さんも言及されています。



思春期の子がいる家庭こそ、赤ちゃんや幼児の預かりを可能な範囲でサポートしてもらえたらと思いますし、これからわが家でも積極的に預かりを受けてみようと思います。


誰もが分断されることなく、つながり合える社会をつくるために――あなたの声を聴かせてください。あなたの手を貸してください。あなたのできる力や知恵を少しください。


その支え合いが安心になるから。


ボーダーラインを一緒に超えて、マーブル模様の社会、鮮やかなグラデーションに染まる社会を築いていきましょう♡

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みんなの笑顔がキラキラ輝く まん丸笑顔の あいのち

すべての人のいのちと性をサポートする誕生学アドバイザー。I(私)に愛を、大地・地球を癒す知が、自身の血肉となって駆け巡るように――自分自身を知り、自尊心を育み、自分も含めて、すべての人の意思が尊重され、自尊心を高めて輝ける社会環境になるよう、情報と機会(場づくり)を提供します。